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2008/10/15

田村はまだか

「田村はまだか」というタイトルに惹かれて買った。だってこんなに個性的なタイトルがあるか?「田村はまだか」何も伝えていないように見えて、でも何かがこの本の中に詰まっているような気がしないか?タイトルだけで買いを決めた。他に理由などない。

読んでみたら傑作だった。小学校の同窓生の男女、40歳になった五人が遠方に住んでいる田村の到着を待っている。その一人一人にまつわるエピソードの連作短編集になっているのだが、いやはや素晴らしい作品もあったものだ。

全部で6話の短編に隙がまったくない。どのエピソードも印象深いが、僕は第二話「パンダ全速力」が好きだ。新米サラリーマンとなんだかつかみどころのない先輩社員の関係をユーモラスに描いた話なのだが、なんだかこのエピソードのラストは切ない。切なさなど感じようがないエピソードなのになんだか切ない。すきだなぁ。この話。何だか苦味も感じる。人生とはこういうものなのだろうかとふと考え込みたくなる話になっている。

作者の朝倉かすみという人を僕は知らなかったが、一発でファンになってしまった。何だかとらえどころのない文章になってしまったのだが、よき作品を前にするとこっちの文章がなまくらになってしまう。とにかくよき小説だから、読んでみてくれ。頼む。

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