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2008/10/22

レオン 完全版

言わずと知れたリュック・ベッソンの代表作。DVDで観た。

日本での公開が95年のことらしい。もう10年以上も経っている作品であることに驚く。よくよく考えればヒロインを演じたナタリー・ポートマンはいい大人になっているのだから当たり前のことなのだ。だが僕の中ではこの作品は全然古びていないし、今でも新鮮だ。

古びないということはそれだけ普遍的であり、個性的であるということなのだろう。僕が思うにこの作品には絶対に他者には理解されないと思われる孤独がもう一つの孤独に出会うことによって得られる理想郷と、それでもなお自分たちを阻害し続ける世界との対峙が描かれているように思う。ラストの有名なあまりにも激しすぎる銃撃戦はホテルのドア一枚を隔てて、あっち側の世界とこっち側の世界の激しい葛藤であるように思えてならない。あっち側の世界は常に圧倒的なかつ暴力的な力でこっち側の世界を侵食しようとする。こっち側の世界の人間はあっち側の世界の横暴に対して激しい抵抗を試みる。

この映画が悲しいのはレオンはマチルダを守り抜きあっち側とこっち側の激しい葛藤から救い出したにも関わらず、あっち側の世界の人間であるスタンの凶弾に倒れてしまうことだろう。レオンが倒れる直前に暗い玄関から見る外の明るい世界はレオンとマチルダが夢見た理想郷の象徴であり、その明るい光を目前にして倒されてしまうさまは、理想郷の完成は永遠に達成されないことを意味するものなのだろう。完成されない理想郷を目にしたレオンは最後にスタンに手榴弾をプレゼントする。こっち側の人間はその人生の最後の最後まで抵抗によってしかあっち側の世界に意見を具申することができない。そこが悲しいのだ。理解だの和解だのが通用しない相互理解の不確かさが悲しいのだ。

この作品が今でも新鮮で古さを感じさせないのはこのあたりにあるのではないかと思う。そしてそれはまた、現在においても解決されない問題として横たわり続けているのだ。大変な傑作だと思う。

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