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2008/10/29

夜は短し歩けよ乙女

天才ってのはいるもんなんだなとこの本を読むと率直に思う。森見登美彦の小説である。

一読して思うのはまるで童話のような、昔話のような、あるいは千夜一夜物語のような不思議な感覚がこの小説全体に流れていることだろう。僕は千夜一夜物語の影響は絶対あると思っている。

物語は二人の私によって進められる。一人の私は男性の大学生でもう一人の私である後輩の女の子に恋をしている。この女の子は先輩が自分のことを好きだということをまったく気付かずにいて、先輩のほうは何とか彼女の視界に入ろうと奮闘するのだ。そうしていろいろな騒動が勃発する。

奇妙奇天烈なキャラクタをーを周りに配し、幻想的な風景さえも現れるが意外とこの主人公たちが活動するのは狭い範囲だ。三谷作品のように物語が濃密になっている。特に傑作なのは御都合主義者かく語りきの大学の学園祭だろう。大学構内でまったく読者を飽きさせずにぐいぐい物語を進めていく様は圧巻だと言える。そして笑える。

非常に上質の笑いでしかも日本人の感性に非常にあっているように思う。キャラクターの設定などよく考えればありきたりな感じがしないでもないが、それを覆い隠すほど構成の妙と文体の非凡さがあふれているのだ。

今更僕が勧めるまでもないのだがこれは本当に面白い本だと思う。ぜひ読んでみていただきたい。村上春樹に代表される文学の対極に位置するものだと僕は思うのだが・・・。

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