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2008年7月

2008/07/13

ザ・マジックアワー

もう、傑作!言うことなし。僕が何らかのコメントを入れる必要などない感じだなぁ。見ろ!これだけですよ。

世にシチュエーションコメディといわれるものがある。具体的に何を表わすかはその用語を使用する人によって違うのだが、共通して言えるのは、設定自体が面白いということ。今作もまた設定自体が面白い。というかハチャメチャだ。ギャングのボスの愛人を寝とった若い男がボスに言われるまま顔を見たこともない殺し屋を探して来いと言われてしまう。調べようたってそりゃ無理だ。存在すら疑われるような殺し屋なのだから。ボスに提示された期日などあっという間に過ぎてしまう。困った男が思いついたアイディアが誰も知らないような三流役者を映画の撮影だとだまして連れてくることだった。すっかり信じ込んだこの役者がノリノリで・・・・。ていうのが大体のストーリーだ。

何がいいって主役の佐藤浩市がいい。すっかり騙されているのだが、真剣に映画に取り組むその一生懸命さが大爆笑になって観客の心に滑り込む。完全に役になりきる三流役者になりきっている。佐藤がこんなコメディを演じるなんて実に驚いた。引き出しがあったのね、って感じだ。

脇を固める俳優も名優ぞろいだ。見ているだけでも楽しいのだが、何が楽しいってそこは異空間なのだ。ヨーロッパ風の街並みで展開されるこの物語はなんというか絵本的というか現代っぽくないというか、一応現代を舞台にしているのだけれど、すっかり現代ではないのではないかという錯覚にとらわれる。セットをよくぞ組んだものだと感心してしまう。

しかし、作りこんだコメディというのはいいもんですな。ドリフターズを思い起こさせる。仕組まれ計算されつくした笑いの印象深いこと。テレビでアドリブを利かせたフリートークばかりを見せられる僕らにはこういった作り込みの世界に時々どっぷりと浸かってみる必要がある。それは何とかしてお客さんを笑わしてやろうというある種の人間の叡智が含まれているのだ。しかもその叡智に知らぬ間に触れるのだからこんな素敵なことはない。

実に良い映画だと僕は思う。

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アフター・スクール

よく練られた脚本だと思う。これを書いた監督脚本の内田けんじはなかなかの才人だ。

さて、この作品は朝の新婚家庭の情景から始まる。身重の妻との朝食風景だ。だがこの風景からしてどこかおかしい。後でわかるのだがこれは新婚家庭の情景でも何でもない。もうすでにここで観客への騙しが入っているのだが、ラストのどんでん返しが素晴らしい。

ネタばれしてしまうのであまり細かくは書けないのが辛いところだ。なんせこの映画、ストーリーの卓抜さこそが身上なのだから。

一見の価値ありですな。佐々木蔵之介は名優ですな。気持ちよく大泉洋に騙されている。なかなかの佳作だと僕は思っています。

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インディ・ジョーンズ クリスタルスカルの王国

ただでさえ過疎のブログを1ヶ月も放置してしまえばさらに過疎のブログになってしまう。わかっちゃいるけどなかなか書く気になれなかったというのがホントのところ。この1ヶ月の間にDVDでVフォーヴァンデッタ、ナイトメアー・ビフォアー・クリスマスを見ているのだが、まあこれはいつか書く気になったらってことで。

さて、表題作である。いやはや、21世紀になってまさかインディ教授の雄姿が見られるとは思いもよらなかった。スタローンでもそうだが、かつてのヒット作の続編を何年も経ってから製作するとは見苦しいと思わないでもない。ちなみにインディ・ジョーンズは約20年ぶりだ。思い出は思い出のままに止めておくのが正しい作法だろう。

どうでもいいが、最近のハリウッドはどうしてしまったのだろう。リメイクばかりだし、今回のようにかつての人気作の続編は作るし、もう新しいコンテンツを生み出す能力に欠けるのだろうか?もう少し頑張らないと世界中のお客さんにそっぽを向かれるぞ!

さて、今作の評価だがまあ、ファミリー向けの人畜無害な作品です。スリルはてんこ盛り、少々のロマンスあり、謎解きもあり、娯楽映画の王道ですな。だが新味には欠ける。既視感が邪魔をする感じだ。かつての作品は古代と現代を結ぶために大風呂敷を引いたものだが今作はなかなかにその風呂敷が小さい。ありていに言えばあのクリスタルスカルのチープなこと。そして最後にクリスタルスカルがすべての謎のキーになるのだが、その謎解きの唐突なこと。古代趣味がこの作品の持ち味なのにそれを完全に吹き飛ばしてUFOを出してしまうのだから見ているこちらはあんぐりとしてしまう。

もちろん一つ一つのネタは面白い。だからこそラストのシーンはもうひとひねりが欲しいのだ。結論的に言えば、前3作のほうが今作よりは出来が良かった。なんだか残念な気持ちではある。

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