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2007/10/12

あかね空

映画を先に観て小説を後から読むパターンである。しかも映画から半年ほど経ってからの読書はなかなかにいい。映画の印象が程よく消えているから余計な雑念が消える感じだ。

さて、直木賞受賞作でもあるこの作品は面白いの一言だろう。映画と同じく家族の崩壊と再生を描いているのだが、やはり直球勝負のすがすがしい仕上がりだ。

構成が面白いと思った。本書の3分の2は永吉とおふみのことに終始するのだが、最後の3分の1はその子供達の物語である。永吉とおふみのすれ違いを夫婦の視点で見せておいてから、その隙間を埋めるかのように子供達の記憶の中の夫婦が描かれている。夫婦が思い描いていた子供の心理と実際の子供の心理の食い違いを見せる手法は鮮やかであるかもしれない。もっとも構成を二つに分けるのは相当の熟達した技量がないと無理なのだと思う。破綻なく物語を練り上げていけるこの作者の腕のよさに驚く。

ただ、人情ものというカテゴリーはどうなんだろう?僕自身の好みのみでいえばそれほど面白いとは思えぬカテゴリーなのだ。とくに傳蔵と子供達の対決シーンはやはり小説で読んでも気持ちが萎える。あのシーンをとってしまえたらいいのにと思ってしまう。オチのわかる作品というのはちょっとなぁと思ってしまった次第だ。

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コメント

こんちは!
私は映画のことは無知だから コメントも 躊躇してたけど、この映画や本の原作者は誰なのかしらん? (笑)
無知な りえさんより~

投稿: りえ | 2007/10/23 07:35

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