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2007年7月

2007/07/23

西遊記

香取慎吾主演作であり、夏休み映画であり、テレビ版の映画版である。鳴り物入りで始まったが思っていたほどの客入りではなかった。客席は6割程度埋まっていただけだろうか?夏休みは強力な映画がめじろうしの季節であるから埋もれてしまうかもしれない。

作品としてはつまらなくはない、さりとて面白くもないというところだろうか。

脚本の出来がイマイチなような気がしてならない。見せ所は多いのだ。筋斗雲での空中戦、インディージョーンズを思わせるような巨大な車輪に追いかけられるところ、瓢箪に吸い込まれる三蔵と悟空、そしてそれの脱出劇。一つ一つは面白いのに、一つ一つはバラバラでまとまりに欠ける。

一番いけないのは、銀角と金角を有効に使えていないことだろう。最強の敵だと言う割にはちっとも最強の敵っぽくない。理由は簡単でこの二人の妖怪がいかに強いか、いかに悪党かを最初の方できちんと描写していないからだ。国王が亀に変えられてしまったということが描かれるのみで、どこが凄いのか判然としない。おかげでその後に続くはずの三蔵一行の活躍がどうもちぐはぐなのだ。強敵であることはまずはじめに見せておかねばならない。それにいかに主人公たちが苦労して挑むのか、そこに感動やワクワク感があるのだが、そのセオリーを完全に踏み外している。まさか新機軸を目指したというわけでもあるまい。エンターテインメントとしての作品としては失敗作とは言わないまでも、凡庸な出来といわざるを得ない。

それからCGの出来もイマイチだった。もう少し丁寧に作らないと今のお客は目が肥えているからついてこないだろう。

ところで話は変わるが、香取慎吾の悟空は完全にはまり役だな。良く似合っている。それだけに残念な作品だと思う。

さらに話は変わるが、さすが夏休みちびっ子が多かった。子供と大人の笑いどころが違っていて面白かった。大人には何でもないベタなシーンでも子供は良く笑っていた。往年のドリフを思わず思い出してしまった。こんな風に僕も子供の頃は笑っていたのかなと思うと大人になってしまった自分が少し悲しくなった。

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2007/07/17

パプリカ

DVDで見た。劇場で観ればよかった!と本当に後悔させられた作品だ。たまにこんな作品があるから劇場通いはやめられなかったりする。

まず何よりも映像が美しい。同時に音楽が良かった。家の小さなテレビではなかなか臨場感がわかない。劇場で観ればよかった。実に残念なことをしてしまった。

さてストーリーの方だがこれを説明するのはなかなか難解である。夢が非常に大きな小道具として出てきているのだが、この夢と現実が非常に複雑な絡まり方をするのだ。どうでも良いが、DVDのパッケージにあらすじを書いている人は実に凄いことをしている。あのあらすじ、間違っちゃいないのだが正しくもない。それくらい錯綜したストーリーになっている。

あえて言うなら科学というものをどう捉えるかがこの作品のテーマなんだろうと思う。科学を毛嫌いする理事長が出てくるが、彼の科学への不信とは極端すぎる。最後にはそれが巨大な妄想に成長するのだが。要は科学に対峙した時の人間の距離の取り方の難しさなんでしょうな。もちろん科学に没入するのもいただけないということなんでしょう。

もういちど時間があったら見てみたいと思う作品だ。ぜひ一度見られることをお奨めする。

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2007/07/09

ニューシネマパラダイス

いわずと知れた大傑作。DVDで見た。完全版もあるが今回は通常版で見た。

最初に見たのが浪人生のころだったから、かれこれ10数年になる。その間何度も見た。

だが今回久々にみて、こんな映画だったのかと思った。つまりがっかりしたのだ。

ストーリーは言うまでもあるまい。なんと甘く、ノスタルジックな作品なのだろうか。若いころに感動していた自分が実に幼く思える。

だが、それは観客である僕が年を取ったということに起因しているのだろう。社会に出て人生の困難を経験して、この作品に満足できなくなっているのだ。うまくいかない自分、空回りする自分、みっともない自分。この作品の主人公トトは未来の希望というやつをまだ失ってはいないみずみずしい精神の持ち主なのだ。恋する女性との別れもあるが、それは挫折と呼べば呼べるのだろうが、自分の力のなさを自覚するほどではない。かつての僕もこのトトと同じ立場にいたのだ。だがその場から大きく離れてしまうと、トトを羨ましく思う感情が先に立つ。時間を浪費するなよと念じてしまう自分がいるのだ。

老年となった主人公は映画監督として名声を得て、故郷に帰ってくる。だが、その立場もまた僕からは遠い。おそらく自分が将来どこまでいけるか見えてしまっていて、トトにはなれないであろうことがわかっているから、なお辛いのだ。

よく切ないという。しかし本当の切なさは甘さの中に隠れているのだ。そのことを発見した一本だった。

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2007/07/08

憑神

ここ数年邦画の人気は衰え知らずだが、この作品もまた邦画である。しかも妻夫木聡主演だ。本当にこの人は出ずっぱりですな。スーパースターと言っていいんでしょうな。

この映画の肝はなんと言ってもそのアイディアの秀逸さだろう。うだつのあがらない侍にひょうんなことから三人のありがたくない神様に憑かれるというアイディアはなかなかのものだと思う。

面白いと思ったのは自分に取り付いた神様を他の人に擦り付けることができるという点だろう。そんなご都合主義ありかよと思ってしまうのだが、日本人の宗教観が良く出ているだろう。海外にこの作品を持っていったらこの点はかなり受けるかもしれない。もっとも理解されにくい部分でもあるのだが。

それに悪さもしていないのに取り付かれるというのもなんとも日本的ではないか。その土地の霊だの悪霊だのというのに何もしていないのに取り付かれるというのを未だに日本人は信じているし。ほら、よく霊を持ってきちゃうって言うでしょ。あれです。

ただ、この作品はコメディタッチではあるのだが、ラストで己の存在価値を見出していく主人公の姿は現代日本人の心を打つのではあるまいか?あのシーンは秀逸だ。散々な目にあわされて、それでその過程で主人公が人生や生きる意義について透徹した目を持つというのは生き辛い現代の応援歌になっているのかもしれない。この映画の神様というのは、現代を生きる人間の様々な障害を象徴的にあらわしているのかもしれない。

でも、そんなにしゃちこばわらなくていい作品だ。純粋にエンタメとして面白いものに仕上がっている。それゆえに現今の日本映画の質の高さを見せ付けるような作品ではある。

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2007/07/01

舞妓Haaaan!!!

なかなかの人気作であるらしい。土曜の夜に見た。客の入りは辛いもので、もう少したくさん入ってもいいのではないかと思う。

なんとも気楽に見る事のできる娯楽作である。ストーリーはあえて語るほどのこともないのだが、とにかく楽しい。時間と空間を軽々と飛び越えていける例えようもない疾走感がこの作品にはある。

なんと言ってもばかばかしいのはいきなりミュージカルシーンが入っていることだろう。なぜ?という問いが頭の中を駆けめぐりそうになるのだがその問いを押さえつけるほどのスーパーパワーがこの作品にはある。

なんといっても阿部サダヲだろう。彼のぶっ飛んだハイテンション芝居があったればこそ成立する作品だろう。阿部サダヲとはこんなに凄いやつかと思いながら見ていた。白いグンゼのブリーフ姿必見です。

それから柴崎コウと小出早織の舞妓姿のかわいらしさといったらない。僕は小出早織をこの作品ではじめて知ったがあんなにかわいらしい女性がいたのかと思った。ほれましたねぇ。

ディティールの作りこみも素晴らしく楽しめる作品です。ぜひとも頭を空っぽにして見に行って欲しい作品ですな。

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