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2007/05/04

12人の優しい日本人

DVDで見た。古い映画ではあり、また三谷脚本ということで散々いろんな人が言及しているであろう。あらすじは特に述べても意味がない。同じ理由でアメリカで作られた12人の怒れる男との比較はここではすまい。

この映画のもっとも秀逸なところは客観とは難しいということに気付かされることだろう。

もっとも理論的で最後まで被告の有罪を主張してやまなかった陪審員2号が実はもっとも情緒的で自らの感情におぼれやすいというオチのもっていき方は凄いの一言だろう。それは同時に主観と客観の境目を見分けることが我々観客だけでなく、有罪を主張する登場人物自身にも曖昧でわかりづらいということをあらわす。それはまた人を人が裁くという現実の難しさをも表す。いくら自分が客観的に事実を積み上げ物事の姿を捉えようとしても、主観がどこに入り込むのか自分でもわからないという危うさを孕んでいるだ。それが裁きの場面において無自覚なまま発揮されたとしたならば、我々は重大な過誤を犯さざるを得ないのだ。人間は本質的に過誤を犯さざるを得ない存在なのだと気付かされる。

傑作映画だ。人間の本質をコメディの中に見事に入れ込んだ凄い作品だと思う。一見の価値ありですぞ!

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