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2006/08/14

日本沈没

最近人気の日本映画。この夏の日本映画の中ではゲド戦記と双璧をなす人気作であろう。

33年前のベストセラー小説で当時公開された映画も好評だったようだ。33年前というと僕が生まれる前の話なのでもちろん記憶にはないが、日本沈没というタイトルだけはちゃんと知っている。内容はわからないが雷名轟く作品と言えるのだろう。

率直に感想を述べるとするならば、おもしろかった。パニック映画にありがちな「こんなすごい映像撮っちゃいました、さあご覧下さい」的な映像に全面的に依拠した作品でなく、また長大な原作の「映像による総集編」的な原作の消化不良もなく、きちんと人物が描かれた良き作品であった。

またもや僕は原作を読む前に映画を見てしまったのだが、恐らくは相当な部分原作の改作が行われていたのだろうと思う。具体的にどことは原作を読んでいないので指摘はできないが、そう思う。特に映画の開口部分、いきなり沼津の地震からスタートするが恐らく原作はこんなんじゃないだろうと思った。パニック映画の定石とはありふれた日常を見せてその日常が破壊されていく過程を見せていくものだが、この映画はそうはなっていない。いきなりパニックから始まるのだ。この部分を見ても、映画の製作者達がよほど原作を読み込んで、この原作を改作していったということが想像される。

さて、この映画の主要人物の二人だが、実にいい。柴咲コウが演じたハイパーレスキュー隊員はなかなかの造形の仕方だと思う。普通はこういう役は男が演じるのだろうと思うのだが、観客にとっての一般常識をあべこべにしてみせたのはお見事というしかない。だいたい登場シーンがかっこいい。仕事を持つ女性というのは現代のTVドラマや映画にごく普通に出てくるが、たいていの場合スーパーウーマンになってしまう。仕事もバリバリできて恋愛もして、ひょっとしたら部下の面倒見もよくてって感じですごいとは思うけど、こんなのはいねえよなとうそ臭さを感じてしまうのだが、この作品ではそんな感じはなく、素直に感情移入ができた。男っぽさと女らしさが絶妙にバランスを保っているのだろう。技ありの人物の描き方だと思う。

一方くさなぎが演じた潜水艇のパイロットは煮え切らない態度と逡巡し苦悩する姿が良かった。オレ、行くぜ、助けちゃうぜといったイケイケの男だったらこうはうまくいかなかっただろう。柴咲コウが演じるハイパーレスキュー隊員との対照的な性格が印象的で、良かったと思う。特に潜水艇に乗り込むまでの苦悩はそれが命を賭さねばならない過酷な選択であることを強く観客に訴えかけるもので、その姿に涙するものも多いのではないかとおもう。実にいい人物だと思う。

客の入りは上場であった。やはりたくさんの観客と一緒になって一つの映画を見るという行為は家でDVDを見るのとはやっぱり違う。たくさんのお客さんと感動を共有できるという体験はぜひともお金を出してでもすべきことなんだろうと思う。見て損はない映画だ。ぜひ一見することをお奨めする。

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