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2006/01/15

THE 有頂天ホテル

公開されたのが昨日であったから、今日はとんでもなく込んでいた。最前列までお客が入っていたのだから驚く。僕自身はあまり人ごみが好きではないが、こんなふうに劇場が満杯になっている姿を見るのは楽しい。またこの映画はまさしく老若男女別なく、見に来ていた。世代を超えて楽しめる映画というのは、映画の理想的な形なのだろう。

しかし豪華な出演陣だ。日本を代表する俳優がこれでもかと言うほどに贅沢に出演している。これだけの俳優を集めることができるのは三谷幸喜くらいなものか。

さて、映画の感想なんだが・・・・・・。確かに面白かった。度々笑わせてくれたし、グランドホテル形式を使って、様々な人間の様々な人生模様を切り取ると言うのは、魅力的だし、何より、この形式の作品の作り方と言うのは物語が散漫になりがちなのに手堅くまとめてあって、三谷幸喜の才能の豊かさを感じさせてくれる。それはそのとおりなのだが、なんだか不満が残る感じでもある。

どうしてこんな風に思うのか自分でも不思議なのだが、ただ僕が思うに、物語の密度が関係しているのかもしれない。通常僕らは主役がいて、脇役がいて、その主役の物語をじっくり腰を落ち着けて見る、と言うことを常にしている。当然スポットライトが当たる人数が限定されているから、物語の密度は濃くなる。しかしこの作品はそういうものではない。この作品のグランドホテルという形式は、いうなれば群像劇の一種であり、しかも通常の群像劇というのは何か一つの組織なり、団体なりにスポットが当たるものであり、その組織や団体は一つの方向を向いているものだ。スポーツ物のチームの構成員(勝利のために困難に立ち向かう)を考えれば考えやすいだろうか?

しかしこの作品の場合は、というよりグランドホテル形式というのは、てんでお互いに関係ない人の人生模様を切り取るため、それぞれの登場人物は一つの方向を向いているわけではない。悪徳政治家と腹話術師では方向性は共有できないのだ。したがって一人の人間の人生をじっくり描くということはできなくなり、一人一人の描写は希釈される。恐らく僕が抱いた不満というのは、希釈された描写からくるじっくり感とかずっしり感とかがないことに起因しているのだと思う。

しかしよく作ったものだ。筆耕係という通常見慣れない職種や、ホテル探偵(パンフを読むと実際にこういう人がいるらしい。保安課というらしい)といった実際に足を運んでみなければわからないような職種の人まで描いているのだから、たいしたものだと思う。何よりすごいのは説明セリフが少なかったことだ。この辺りはきちんと評価してあげるべきだと思う。

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