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2005/10/10

六番目の小夜子

つまらくはない作品ではあるが、どうなんだ?著者もあとがきで語っているように日本ファンタジーノベル大賞で酷評されたというがそれもなんだかうなずける感じだ。

根本的にこの作品の最大の謎はサヨコって何だ?というところにあると思うのだが、それに対して作者は裏で糸を引いていた人物を提示するものの、はっきりそれがなんであるかは語っていない。あくまで匂わすだけなのだ。僕個人の好みもあるのだが、謎を完全に解決してくれないと不完全燃焼になってしまう。匂わすというのは読者に対してアンフェアーな行為だと思うのだがどうだろう?

どんな小説にせよ謎の設定と解決は意外と重要なものなのだ。なぜなら、そこに著者の主張が最も色濃く反映されるからだ。テーマといっても良い。それを匂わすだけで終わらせるというのはテーマや主張を見えなくする。読後感がどうもしっくりこない、カタルシスがないなぁと感じるのははっきりとしない謎に主張やテーマを見出すことができないところから来ていると思う。

また、高校生達の会話にイライラ感が募った。突然敬語調になったりして、リズムが狂ってしまう。会話はキャラクターの個性を引き出す最も簡便な方法だと僕は思っているのだが、それに敬語を含ませると個性を覆い隠してしまう。作者はあえて軽妙な感じを狙ってやったと思うのだが、成功しているようには思えない。

解説で川と時間軸について解説子は述べていたがこれについてはこの著者の作品をたくさん読まないとちょっとわかりずらいと思った。これから僕もこの作者の作品を意識的にフォローしていきたいと思う。

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» 六番目の小夜子 / 恩田 陸 [shimoのつぶやき]
 津村沙世子―とある地方の高校にやってきた、美しく謎めいた転校生。高校には十数年間にわたり、奇妙なゲームが受け継がれていた。三年に一度、サヨコと呼ばれる生徒が、見えざる手によって選ばれるのだ。そして今年は、「六番目のサヨコ」が誕生する年だった。学... [続きを読む]

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