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2005/09/18

タッチ

あのタッチが映画になる。しかも実写で。こういった報に接すると無条件に「ああ、だめだコリャ」と思わず呟いてしまうのは、漫画の原作で実写映画になったものにろくなものがないというのを経験上よく知っているからだろう。ようするに大して期待していない映画であった。

ところがこれが素晴らしかったのだ。ちゃんと青春映画になっていた。なかなかの佳作だ。

長澤まさみが画面に登場するとそこに浅倉南がいた。あの南ちゃんが実写になってるぞ!これはすごい。原作を知っているものとして、あの熱狂的なブームを知っているものにとって、これは驚異的なことだった。新鮮な驚きだった。

映画は全体として原作の雰囲気を残していると思う。原作にあった爽やかさがあった。温度がよく似ているとでもいうのだろうか。とてもいい映画だった。

この作品の美しいと思ったシーンは、和也死んで南が高架下の柱に寄りかかって号泣しているところ、そして雨の中、走る南と達也のシーンだ。衝撃的な死という事実を前にして残された2人が必死にその事実を乗り越えていこうとするシーンが切なかった。日本の青春とはいいものだと思った。

こういう映画はいいものだと思った。最近のハリウッド映画はやたらベッドシーンが多い。それはそれで映画の構成上必要なことなのかも知れないが、僕は思ってしまうのだ、それが本当に必要なことなのかと。人間の人生の一こまを切り取るメディアの映画が描く愛とか恋とかに本当にそれが重要なことなのだろうかと。ほかにもっと必要なことがあるのではないのかと。また、表現としてベッドシーンに安住していいのかと。もっと違う表現を真摯に追うべきではないかと。そう思うのだ。

このタッチという映画は偶然かどうか知らないが、そういったことに成功している稀有な例かもしれないと思った。画面全体から流れる切なさは胸を締め付けられる思いがする。良い映画だ。

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