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2005/07/29

眠狂四郎 勝負 あるいは市川雷蔵について

現在静岡市のサールナートホール3Fのシネギャラリーで市川雷蔵の特集をしている。

僕は彼の名前は知っていたが、どんな作品に出演して、どんな活躍をしていたか全く知らなかった。これは無理のない話しで、僕が生れる前に雷蔵は37歳で死んでしまっているのだから。

彼を知ったのはいつのことだったろうか?はっきりとは覚えていないが、最近若い女の人で雷蔵にはまる人がいると何かの記事で見かけたのが最初だ。でもこの記事を読んでも雷蔵がどこの誰で、どんな奴かというところまでは興味がなかった。

っで今日見たわけである。結論から言えば、こりゃ女の子だけがはまるものではないなということだった。

なんといっても美しいのだ。男の僕から見ても彼は美しい。こんな2枚目がいたのかと驚いた。なんというか雰囲気が素晴らしい。今の俳優にはちょっとないような感じだ。雷蔵という存在が厳然としてそこにあるという感じ。そういう存在感だった。

現在男の俳優は2種類に分けられるような気がする。かなり乱暴な区分けだが、一つはナイーブなタイプ。渡部篤郎のようなタイプだ。もう一つは精悍な野性味溢れるタイプ。坂口憲二のようなタイプ。ほとんど全ての俳優はこの2種類のうちのどちらかに入れることが可能なのではないか。かなり乱暴だけど。しかし雷蔵はこれのどちらにも入らないような感じだった。もっとも今日見た一本しか彼の作品を見ていないのだが。

さて作品であるが驚いた。40年も前の作品にもかかわらず、全く古びてないのである。これは新鮮な驚きだった。もちろんセリフの端々に作られた当時の面影を見ることはあるのだがそれも気にならないほどの鮮度なのだ。

もう一つ驚いたのは、フルカラーだったことである。僕はこの時代はまだ白黒と思っていたからこれには驚いた。一応映画史は頭に入っていたのだが、改めて過去の作品を見せられると知識だけの映画史ではダメなのだなと思ってしまった。

内容は文句なく面白い。幕府の潔癖な勘定奉行を眠狂四郎が守るという筋立てなのだが簡潔でわかりやすい。もっとも気に入ったシーンは5人の刺客に眠狂四郎が語りかけるところだ。あの当時にこんな斬新な演出をしていたのかとおもうと、驚く。すごい時代を日本映画は経験していたんだな、当時のすごさにただただ驚くばかりだ。そして風呂屋での決闘シーン。刺客を前に湯船で雷蔵がニヤッと笑うところなんぞしびれてしまう。ああいう、かっこよさが出せる俳優っていないよなぁと感心することしきりであった。

正直、もっとたくさんの雷蔵作品を見たいと思った。そしてもっと早くに雷蔵に会っていればと思った。雷蔵を女性だけのものにしておくのはもったいない。「女もすなる」と日記を書き始めたのが日本の男なのだ。雷蔵にはまってみるのはいかがか。僕ははまることに決めた。

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コメント

はじめまして。
雷蔵の映画なかなか面白いですよ、大いにはまってください。
お感じのとおり、映画俳優の類型に全然あてはまらないタイプですね。
骨細で華奢、虚弱体質といってもいいかもしれません。
それが、フィルムのなかでは大化けします。
不思議な俳優さんでした。

投稿: chaotzu | 2005/07/31 16:54

はじめまして、コメントありがとうございます。
最近の百凡の俳優達が束になってかかっても雷蔵ひとりにはかなわないと思いました。
わずか37歳で亡くなったのが実に惜しい。
今生きていたら・・・・・そんなことを考えさせてくれる俳優さんですね。

投稿: 北 静男 | 2005/07/31 22:08

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八代目市川雷蔵 (いちかわ・らいぞう)丈 。 どんなに映画に不案内な方でも、名前だけはご存知かと思います。 「眠狂四郎」のシリーズを始めとして、日本映画全盛期の大映映画の看板俳優として活躍し、 日本映画を代表するスターとなりながら、37歳で夭折した伝説の... [続きを読む]

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