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2005/07/14

姑獲鳥の夏

映画を見るにあたって、何をきっかけに見に行くことが多いだろうか?

映画ファンなら監督の名前を見て見に行くのだろうか?

答えはNOである。少なくとも僕にとっては。僕は何といっても女優で見に行くことが多い。その女優の中でも田中麗奈だ。というわけで「姑獲鳥の夏」は外せない。(ってかファンってだけだろ回りくどい言い方しやがって!)

見に行ったわけであるが、か、かわいぃぃぃ~!あの衣装なんかボーイッシュでよく似合っていた。なんといっても久遠時病院で関口と榎木津を「しっかりしてよ2人とも!」とどなりつけるところなどもうめろめろである。俺も叱られたいって素直に思ってしまった。さすが麗奈、何をやらせても素晴らしい。

で、内容なのだが別にどうってことないものである。はっきり駄作だといえる。特に気に入らなかった点は、説明がくどい!それに後説が長い!である。

とくに後説の処理はあれはどうにかならんかね?僕は原作を読んでないからなんともいえないが、あの後説は実に下らない。火サスみたいに崖でやれ、崖で!と思ってしまった。

あの後説は実に最低であった。「この世には不思議なことなど何もないのだよ、関口君」という決め台詞の通り、これまで起こった様々な怪奇現象を理路整然と説明をしていくのだが、これがいただけない。多重人格や死体のロウ化、はてはダチュラの花まで駆使して説明するのだが、あのセリフを聞いて思い起こした言葉は「クソリアリズム」だ。“科学”を使って様々な現象を説明するとそこにリアリズムが現れると感じるのは実は愚かな考えであると思う。それを使うと一見筋が通っているように見えるのだ。しかしそれは見えるだけの話で実は牽強付会だったりする。或いは理路整然としすぎていて、逆に胡散臭さを嗅ぎ取ってしまう。人間は理路整然が案外嫌いなものなのだ。正論をまくし立てられ腹を立てるのと同じ理屈だ。ぐうの音も出ない説明は息苦しく逃げ出したくなってしまうのだ。不思議な現象、この場合は怪奇現象というのは不思議なままでいたほうが面白いし、不思議な現象を不思議な理屈で説明されるほうが実は人間には心地いいのだ。

リアリズムとは何か。恐らく多くの人が様々な論考を重ねているのだろうが、僕の答えは単純で本物っぽく見えればそれでいい、というものだ。これは必ずしも理路整然とした説明でもなく、ましてや科学的な説明でもなく、ごく単純に本物っぽく見えればそれでいいというアバウトなものなのだ。本物っぽさとは例えばドラえもんがいい例だろう。現実にはあんなロボットはいないし、四次元ポケットなんてない。でも、ドラえもんはどらやきが好きで、ねずみが嫌いで、それも耳をかじられたから嫌いで、あのポケットは四次元で未来と繋がっていてそこから色々な道具を出す、という説明でいいのだ。それだけでドラえもんは本物っぽく見える。要するにリアリティとは最低限のお約束といったことなのだ。さっき崖でやれと書いたが、あれも同じことが言えると思う。重大な告白や謎解きの時は崖でやったほうが緊迫感が出て本物っぽいというお約束なのだ。今はどうだか知らないが、トレンディドラマの告白やキスシーンは何故か雨のシーンが多かった。そのほうが主人公達の気持ちをよく表し、本物っぽく見えるというお約束なのだ。

今回の姑獲鳥の夏はそのお約束を超越して、様々な細かいことまで“科学”を用いて説明しようとしている。そこまでやらなくてよいのだ。なんとなく筋が通っていれば観客は納得をするのだ。この映画で本当にやらなければならなかったことは登場人物の掘り下げであったはずだ。それなのに事件の説明を一生懸命やったためにこの映画全体の構造がもろく、事件の説明に押しつぶされたような印象を受ける。

要するに作り方を間違えたのだ。

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