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2005/06/26

バットマン ビギンズ

どうもこれまで見たバットマンが大味でちっとも面白くないよなと思って
今回のバットマンもどうせそんな感じだろうと特に期待もせず
いい時間つぶしになるかと軽い気持ちで見たのが幸いしたのか
これがけっこう面白くていい作品だったのだ。
大味なスーパーヒーローものではなく
きちんと人間が描かれていて面白かった。
この作品はアメリカ人より日本人のほうが受けるのではないか?
そんなことを感じさせる作品であった。

ストーリーはバットマンの誕生秘話というところ。
主人公ブルース・ウェインはゴッサムシティで裕福な家庭に育った。
ウェイン家はゴッサム一番の大金持ちの家であり
両親は公共心に篤く、ブルースはそんな両親の薫陶を受けて育つのである。
ブルースはある日井戸に落ちて壁から出てきた蝙蝠に巻かれ
蝙蝠に対して恐怖心を抱く。
ある日の晩一家はオペラを見に行くがオペラのかもし出す不陰気が
蝙蝠に似ていて気分が悪くなったブルースは両親とともにそうそうに退散してしまう。
劇場を出たところで貧しい浮浪者に襲われブルースの前で
両親は拳銃で撃たれ命を落としてしまう。
成長した彼は両親の復讐をしようとするが失敗
やがて彼は旅に出る。
彼自身の恐怖心や復讐心に打ち勝つため
様々な環境に身をおくのだがやがてデュカードに出会い
ヒマラヤの奥地で修行に励むようになる。

ま、ストーリーはこれで全部ではないのだが
こんな感じで物語りは進んでいくわけだ。

今回のバットマンでよいといえるのは
主人公が己の人生、特に幼い頃の記憶に苛まれそれに打ち勝とうと
努力していくという人間像にあるのだろうと思う。
日本人の好きなタイプのヒーロー像で、僕はデビルマンを思い出す。
心に傷のあるヒーローというのは非常に重要な要素で
それがために努力し、がんばるという理由付けが容易で
観客は素直に主人公に感情移入できるのだ。

かつて少年週刊ジャンプは「努力、友情、勝利」
ということを言ったのだが、まさにこのバットマンはその資質を備えている。
友情は執事のアルフレッドや警官のジム・ゴードン、幼馴染のレイチェルによって表されている。
この「努力、友情、勝利」のほかにもう一つ、「秘密」という要素を加えることも可能だと思う。
能天気な大金持ちの倅で、そのくせ一皮めくれば正義の使者であるという落差。
この落差がないと幼い頃の痛々しい思い出も生きてこないし
荒唐無稽なバットマンというキャラクターに真実味を与えることができない。
実によく考えられている。

勝利というファクターを考えるとこの作品では主人公は二つの大きな戦いに勝利している。
一つは大ラスの戦い。これは当然ではあるけれども、もう一つはヒマラヤの僧院での戦いである。
このヒマラヤのシーンは非常に重要で、後の大ラスでの戦いに繋がっていくものであると同時に
努力の成果として描かれる。また主人公の潔癖さ、正義感の表出としても描かれる。
もし大ラス戦闘のみでこの映画が終わるとしたならば、この映画は成功しなかったのだろうと思う。
極めて重要なシーンだ。

アメリカ映画のヒーローものとしては非常によく描かれている。
実にすばらしい娯楽作品に仕上がったと思う。
監督がイギリス人だからなのだろうか?
ぜひ一度見ていただきたい作品である。

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