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2005/04/19

雨恋

この本の帯には「ありえない恋ラスト2ページの感動」
なんて書いてあり、恋愛小説かと思って読み始めたら
思いっきり推理小説だった。恋愛小説と読めなくはないが
出版社の商魂たくましすぎる。

さて、内容なのだが
主人公の渉はひょんなことからとあるマンションに住むことになり
そこで幽霊に出会ってしまう。
女の幽霊。姿は見えなくて、声だけ。どういうわけか、雨の日にしかこのマンションに現れない。
なんでもこのマンションで自殺したのだが
実際は自殺ではなく、誰かに殺されたというのだ。
女の幽霊 千波(ちなみ)は渉に真犯人を探して欲しい。
と頼む。

こんな内容である。
まず何といってもアイディアが奇抜だ。
調べを進めるうちに何か疑問が解決されると
千波の姿が少しだけ見える。
脚だけ、続いて下半身、上半身という具合に。
千波はスタイルがとてもよいから
若い男渉にすればどぎまぎしてしまう。
ただその描き方はとても幻想的で
美しく、ぎらぎら感はない。
その辺りがとても好感が持ててよいと思う。
ただ男の読者からすれば、ちょっぴり物足りないように
感じてしまうのは致し方ない気もするが
僕はこのぎらぎら感のなさが、かえって、この小説が
下品にならず、とても、上品にまとまっている感じにおもえてならない。
とてもよい作品だと思う。

惜しむらくは、ミステリとしてちっとも面白くないところだろうか?
謎解きが全く面白くない。
まとめがところどころ入ってくるのは仕方ないがちょっとうざい。
特に最後の「後説(あとせつ)」部分がいただけない。
やたら長く書いていて読んでて、だれる。
この部分はさっと、テンポよく書いて欲しかった。
それまでの小説のリズムは非常にテンポ良く進んでいたのだから
ここでリズムを崩してはダメだな。

全体としては渉と千波の恋がとてもはかなく
大ラスで千波の姿が消えてなくなるとき、
2匹の猫と一緒に見守る姿が切なくてとてもよかった。
僕は恋愛小説として非常によいのではないかと思います。
はっきり言ってとてもよい作品です。
ぜひとも読んでみて欲しい作品だね。

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